大好きだよ、ミック
誰に対してかわからない謝罪を繰り返す。どうして、命をこう簡単に捨てられるんだろう。この子たちは何も悪くないのに。幸せになるために、家族になるために生まれてきたのに……。

「何も知らなくて、ごめんなさい……」

ペットショップの子犬たちしか見ていなかったから、友達の話しか聞かなかったから、何も犬のことを勉強しなかったから、こんなに残酷な事実を知らなかった。悲しくて、悔しくて、涙が止めどなくあふれていく。

「キュ〜ン……」

隣から悲しげな声がして、私の頬を伝う涙がペロリと舐められる。ミックを見れば、ミックは私の膝に頭を乗せ、心配げに私を見上げていた。それが嬉しくて、温かくて、私は「ミック……!」と言いながら抱き締める。

「犬は人の気持ちを敏感に感じ取る生き物だよ。とても頭がいい。言葉を交わすことはできなくても、ちゃんと人の言葉を理解している」

だから、しのぶちゃんのことを今心配してるんだ。

伯父さんの言葉に、私は涙を何度も拭い、「ごめんね」と繰り返した。
< 14 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop