大好きだよ、ミック



夕方、お父さんが迎えに来てくれた。私は朝来た時とは違い、真剣な目でお父さんの前に立つ。

「勉強できた?」

お父さんの問いに私はコクリと頷いた。その隣にはミックがいる。

「お父さん、私、ミックを家族として迎えたい。飼い主として勉強不足なのはわかってる。ミックと一緒に勉強して、成長していきたいの。そして……不幸な犬をゼロにしたい」

この子は、うちに家族として来てくれる。犬を飼う時はそんな感覚がするのだと伯父さんから教えてもらった。ミックに感じたこの気持ちは、間違いなくそれだ。

「……お前がきちんと責任を持って幸せにするんだぞ」

お父さんの言葉に私は嬉しさを感じる。そして、隣で尻尾を振るミックを抱き締めた。

「これで、ミックはしのぶちゃんたちの家族だよ。死ぬまでしのぶちゃんのパートナーだからね」

だから、これを約束してほしい。伯父さんから私はミックと暮らしていく上での約束事を教えてくれた。
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