大好きだよ、ミック
「ねえ、何で?何で犬を飼っちゃダメなの?いいでしょ?私、ちゃんとお世話するから!毎日散歩だって行くし、たくさん遊んであげる!だから飼いたい!」

小さい子が駄々をこねるみたいな感じで言うと、二人は顔を見合わせた後、ため息をついた。

「そういう言い出したら聞かないところはお父さん譲りなのね〜」

お母さんがそう言った後、苦い顔をしていたお父さんは私をジッと見つめる。そして口を開いた。

「犬を飼いたいとお前は言ってるが、まだ犬のことを何も知らないだろ。だから今週末にお父さんのお兄さんのところへ行って勉強しなさい。あそこはたくさん犬がいるから……」

「犬がたくさんいるの!?やった!」

そこで頑張れば可愛い子犬ちゃんを我が家に迎え入れられる!!何も知らない私は、そんな風に期待に胸を膨らませていた。



そして迎えた週末、私は汚れてもいい服で来てくれと伯父さんから連絡が来たので、学校のジャージを着てお父さんの運転する車に揺られ、かなり山奥にある伯父さんの家にやって来た。

「ついた!」

広い敷地内にある伯父さんの家からは、犬の鳴き声が聞こえてくる。伯父さんってブリーダーさんをしてるのかな?
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