残酷な天使に牙はない。
それは、アランと関わった人間。つまり、タマキにも、カオルにも当て嵌まることだった。ただそれを表に出しているのはナオだけたらいうことだ。
不意に、タマキが時計を見ると、もう深夜3時を指していた。
「カオル、そろそろ閉めるよ。行こう」
「え、あー。もうこんな時間か」
このクラブの副オーナーである、タマキとカオルが腰を上げ、部屋を出て行った。ナオとロイは、動くのが怠いといって、その場から全く動かないのはいつものことである。
これがアランだったならば、ナオは忠実な僕……、犬のように後をついて回るだろう。
「非行少年少女が多いねぇ、この街は。なあ、タマキ?」
「はは。俺たちが言えることじゃないけどな。まぁ……そのおかげで俺らは結構儲かってるんだし、その非行少年少女は居場所が出来て楽しんでいるんだ。だからそれでいいじゃないか」
繁華街にあるクラブの中で、ここは1番の人気を誇っていた。
楽しむ、それだけではない。彼らの本当の目的は、アラン、タマキ、カオル、ナオ、ロイ。この5人と言っても過言ではない。