シンデレラは、ここにいます。〜嘘恋〜

トントン…



「お食事の時間です
こちらに準備してもよろしいですか?」



あ!私も寝ちゃってた



「はい!お願いします」



雨登くん起こさなきゃ!



「雨登くん!雨登くん!
夕飯の時間だって!」



「うん…」



ふたりでテーブルに用意された料理を挟んで

向かい合った



「わぁ!すごい豪華だね!」



「うん、社長が料理美味しいからって言ってた」



「いただきます」

「いただきます」



「おいしい!」



「よかった」



「雨登くん、よく寝てたね!
きっと毎日忙しくて疲れてるんだね」



「オレ、寝てないよ…」



「え…ウソ!?」



「恋々の方がよく寝てたよね
オレ、寝顔見たもん」



「え!ヤダ…」



「大丈夫!
何もしてないから!

かわいかったし…」



そーじゃなくて…



あの言葉は

寝言でも夢でもなかった?



それとも

私の夢だった?



私の言ったことは

雨登くんに聞かれてた?



聞けなかった



黙って食事をした



雨登くんも無口



気まずい…


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