シンデレラは、ここにいます。〜嘘恋〜
なのに…
雨登くんに触れたくて
布団から手を伸ばした
雨登くんの手も布団から伸びた
少しだけ指先が触れた
ドキン…
「恋々…もっと伸ばして…」
ドキドキ…
ドキドキ…
「伸ばしてるよ…これが限界だもん…」
「そっか…」
雨登くんの指が私の指を触る
ドキドキ…
ドキドキ…
ドキドキするよ
雨登くん
雨登くん
ごめんね
これが私の限界です
これ以上近付いたら
嘘の恋が本当の恋になっちゃう気がするから
「恋々…顔見せて…」
指先から
雨登くんの声が伝わってくる
「ヤダ…」
「なんで…?」
「ん…眠いから…」
ホントはドキドキするから
目が合ったら
もっとドキドキするのわかってたから
もっと好きになるのわかってたから
こわかった
「恋々…寝るの…?」
「うん…」
ドキドキ…
ドキドキ…
「そっか…おやすみ…」
「うん…おやすみ…」