シンデレラは、ここにいます。〜嘘恋〜
「あ~ん…」
雨登くんが口を開けた
「え?」
「それ、ちょーだい!
プレッツェル?」
「あ!ハイ!
ハイ…どーぞ…」
食べかけのプレッツェルの袋を
雨登くんに差し出した
「口に入れてくんないの?」
「え…」
「カメラ…」(小声)
「え…」
「撮影してる…」(小声)
「あ…」
気付いたらカメラがこっちを向いてた
「あ~ん…」
雨登くんが口を開けた
ドキン…
「ハイ…」
ドキ…
ドキ…
ドキ…
「うん、おいしいね!
もぉ1個…あ~ん…」
ドキドキ…
ドキドキ…
「ハイ…」
「ありがと
じゃ、恋々、またね〜」
ドキドキ…
ドキドキ…
いつからカメラ撮られてた?
雨登くんの口に少し指が触れてドキドキした