シンデレラは、ここにいます。〜嘘恋〜
雨登くんは30日までの
約2週間
毎日電話をしてくれた
「恋々に
話したいこといっぱいあるって言ったじゃん」
学校の話
仕事の話
忙しくてすぐに切ることもあったけど
「ごめん、もぉ行かなきゃ…」
「うん、雨登くん忙しいのにありがと
仕事頑張ってね!」
学校が終わって仕事までの間の時間
「ただいまー
腹減ったー」
仕事が終わって電車に乗る前
「おつかれさま
今日は、どぉだった?」
「楽しかったけど、疲れた…
編集して明日アップするから見て…
…
あ、恋々、明日仕事か…
頑張れ!」
「うん…」
「明日は、何時に電話してもいい?」
「雨登くん忙しそうだし疲れてるから
無理に電話いいよ」
「んー…
恋々は?電話しない方がいいの?」
「私は…私は…」
どーなんだろ?
いつも待ってる自分がいた
雨登くんは
疲れてても
時間がなくても
毎日電話してくれた
話したいこといっぱいある
そう言うわりには
内容は他愛ないことで…
「ごめん…
毎日無理にオレと電話してた?
…
明日は電話しないね
また恋々が休みの日に…」
恋人ごっこ
偽カップル
嘘の恋
雨登くんは義務的に
毎日電話してくれてたのかな?
「待ってる
私、いつも…待ってたよ
…
だから…
明日も待ってる
…
ちょうど出れなかったらごめんね…
後でかけ直すね」
私も雨登くんに合わせて言ってるだけかな?
「うん…
明日も電話するね」
「うん」
「恋々…」
「ん?」
「ありがと…」
「なに?私、なんかした?」
「言いたかったから…
…
もう1個言いたいことある」
「うん、なに?」
「でも、電車来た
また今度ね…」
「うん、また明日ね
…
雨登くん
待ってるね!」
毎日電話して
くだらないこともLINEして
恋人ごっこかもしれない
でもね
毎日待ってる
雨登くんの声が聴きたいなって思う
会えないけど
会いたいなって思う
ねー、雨登くん
この気持ちは
嘘じゃないんだよ
ごめんね
好きなんだ
雨登くんが
私たちに残された時間は
もぉ少し…