シンデレラは、ここにいます。〜嘘恋〜
ふたりで中に入った
入ったら雨登くんが抱きついてきた
初めての時もそぉだった
あの時は
とにかくドキドキして
雨登くんがすぐに離れてくれたからよかった
「2ヶ月だし、こんな感じだよね?」
「うん…」
今日もドキドキするよ
みんながSNSに載せてる記念日
2ヶ月ならこんな感じかな?って
教科書を参考にしてるみたい
ドキドキしてるのに
哀しい気持ち
後ろから抱きしめられてるのに
辛い
「恋々、笑って!」
「うん…」
耳元で聞こえる雨登くんの声に
頷いた
画面の中の私は
雨登くんに肩を抱かれて
上手く笑えてなかった
「恋々、もっと笑ってよ」
「…ヤダ…」
「恋々…嫌だった?
ごめん…」
雨登くんと向き合ったら
泣きそうになった
泣いたらバカみたい
何本気になってるの?って
雨登くんに笑われちゃう
「ごめん、雨登くん
嫌じゃないよ
…
上手く笑えなくて、ごめんね…」
最後なのに
雨登くんみたいに笑えない
「恋々…」
え…
最後の1枚は
雨登くんが私に重なって
キスしてるみたいに撮れた
「ごめん…
恋々、泣きそうな顔してたから…隠した」