シンデレラは、ここにいます。〜嘘恋〜
#恋の嫉妬
月に何度かあるオリエンテーション
今日は調理実習だった
クジ引きで班を決めた
「恋々ちゃん、ヨロシクね!」
「うん、ヨロシクね」
雨登くんとは別の班になった
うちの班はパンケーキ作り
雨登くんの班はクッキーかな?
「恋々ちゃん、オレ何したらいい?」
同じ班になった空(そら)くん
「空くんはフルーツ切ってよ!」
「おっけー!任せて!」
雨登くんはクッキーの型抜きをしてた
周りには女の子たちがいっぱい
カメラも常に雨登くんを中心に撮ってる
雨登くん笑ってる
楽しそう
雨登くん
「恋々ちゃんも雨登狙ってんの?」
空くんに聞かれてハッとした
「そんなことないけど…」
「さっきから、ずっと見てたから…」
無意識だった
「すごい人気だな…って…
私には手が届かない人だよ」
「そーかな…
恋々ちゃんは手が届かなくても
アイツが手を伸ばしたら?」
「え…?」
「アイツが恋々ちゃんに手を伸ばしたら
恋々ちゃんはどーする?」
それって
雨登くんが私に告白したらってことだよね?
「そんなこと、あるわけないよ!
絶対ない!
本気で雨登くんが私に…」
本気で雨登くんが私に告白することはない
本気で雨登くんが私を好きになるなんてない
嘘なら
ある
それは
ホントのこと