シンデレラは、ここにいます。〜嘘恋〜
ブー…ブー…ブー…
「恋々…?」
雨登くんから着信だった
「うん…」
「もぉ帰った?」
「ん…まだ…
でも、もぉ帰るよ…」
「…泣いてる?」
「泣いてない…」
泣いてないよ
「声、震えてる」
泣きそう
なんでかな?
息をしたら溢れそう
「電波、悪いのかも…」
「恋々…?どこ?」
「…」
「恋々…?」
「もぉ、駅…」
嘘ばっかり
雨登くんにも嘘ついてる
まださっきの場所にいるのに…
「駅?すぐ行くから待ってて!」
「…なんで?
…
なんか、忘れ物あった?
…
それなら、次会う時でも…」
涙を必死で堪えた
「恋々、今日いつもと違った
オレのせい?」
「…」
「なんかあった?
それなら言ってよ」
「…」
彼氏じゃないのに
言う必要ある?
「恋々…」
耳に響く雨登くんの声
辛いよ
「なにもないよ
バイバイ…」