シンデレラは、ここにいます。〜嘘恋〜
「先に雨登くんが乗りたかったの乗る?
今ならそんな混んでないし!」
「うん」
私たちを嘘のカップルだって思う人は
いないんだろーな
仲良さそうに見えるよね
デートぽく見えてるよね
雨登くんの隣に座って
バーが下りた
動けない
緊張する
ドキドキ…
ドキドキ…
雨登くんは緊張してない?
「恋々、もしかして怖いの?」
「…ん、うん…怖いのかな?」
このドキドキは
怖いからなの?
「雨登くんは?怖くない?」
「うん、怖くない!」
どんどん上に登ってく
ドキドキ…
ドキドキ…
楽しくてかわいい音楽が流れてるのに
音楽とは逆の気持ち
怖いのかな?
「恋々…」
「…ん?」
乗り物が揺れて
雨登くんがもっと近くなって
バーを掴んでた手を握られた
「きゃーーーーー!!!」