シンデレラは、ここにいます。〜嘘恋〜
「恋々、行きたいとこない?
次の週末、オレ空いてる」
「んー…またテーマパークとか?
デートの定番は映画とか?」
「映画はその時間喋れないから却下!
恋々とせっかく会ってるのに
顔も見れないじゃん…
だから、ヤダな…」
「雨登くん、ホントにそぉ思うの?」
「思うけど、なんで?」
「ん…
ホントだったら嬉しいな…って思って」
前は口に出せなかったことが
言えるようになった
嘘じゃなくて
ホントに嬉しいよ
雨登くん
「雨登くんは?
行きたいとこあるの?」
「うん…
無理ならいんだけど…
…
泊まり…ダメ?
…
事務所からホテルのチケットもらったんだ
友達誘ったけど彼女と行けって断わられた」
「泊まり…?ホテル…?え…?」
「ホテルって言っても
別に変なホテルじゃなくて温泉だから!」
「温泉?」
「うん
でも温泉入りたいわけでもなくてさ
恋々が泊まりダメなら帰るし…」
「ん…?
じゃあ、なんで行くの?」
「恋々と一緒にいたいから…」
「え…」
「絶対何もしないし…
恋々が帰りたいなら…
泊まり無理なら…オレも一緒に帰るし…」
雨登くん焦ってる?
雨登くんらしくない
「やっぱり、ダメだよね?」
「んーん…
ダメとかじゃなくて…
…
なんか
いつもの冷静な雨登くんじゃなかったから…」
「ごめん…
なんか、変な汗かいた
…
恋々と一緒にいれる時間
あと1ヶ月もないじゃん…
…
だから
もっと思い出作りたいと思ってる」
いつもと違う雨登くんは
たぶん本当の雨登くんなのかな?
本当に思ってくれてる?
私と一緒にいたいって
思い出作りたいって
「うん…
そーだね…
…
思い出作ろうか…」
雨登くんと一緒の時間は
あと1ヶ月ない
それは本当