オレにしか、触らせるな!

パチ…



部屋の電気を消したら

外灯と月明かりで

部屋の中が青白く光った



「これなら、大丈夫?
近付いても…」



「うん…大丈夫かな…」



「よかった」



棒くんの近くに座った



ドキ…

ドキ…



ゆっくり胸の音が大きくなる



「もっと…近付いても大丈夫?」



「うん…」



ドキ…

ドキ…

ドキ…



視界に棒くんしかいない



きっと

棒くんの視界にも私しかいない



綺麗な目



ドキ…

ドキ…



どこも触れてないのに

熱くなる



ドキ…

ドキ…



触れたい

触れてみたい

触れてほしい



そう思って

私は今

棒くんのすぐ前にいる



今触れたら

棒くんはまた

離れてしまう気がして

怖くてこれ以上近付けない



終わった音楽の代わりに



ドキドキ…

ドキドキ…

ドキドキ…



胸の音が耳障りに響いた



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