オレにしか、触らせるな!
ただのイケメンとブランド女子
カツ…カツ…カツ…カツ…
大学のバスケサークルの打ち上げで来た
ダイニングバー
喫煙室から出てきたオレの前で
ハイヒールの音が止まった
甘い香水の匂い
ベージュに染まった髪が綺麗に巻いてあった
オレの好みではない派手目のリップの色
ブランドのバッグを持ってた
しっかりメイクされた目元
カールした睫毛の奥から
オレを上目使いで見て
「傑くんだよね?
元気だった?」
女性はそう言った
「…誰?」
オレは無愛想にそぉ言ったけど
よく見たら濃い目のメイクの下に
どことなく面影があった
オレの初めての彼女だった