オレにしか、触らせるな!

「傑、最近部活出るの遅くない?
3年いなくなったからって怠けるなよ」



オレはバスケ部だった

部長だった颯によく注意されてた



「うん、ごめん」



渉香とキスしてから

何もなかったような顔で部活に出てた



あの日も渉香とキスして

部活に行こうとしたら

颯に見つかった



ヤバ…!見られた

きっとまた言われる

傑、早く部活来いよ!って



颯は

オレの名前じゃなくて

渉香の名前を呼んだ



「渉香、なんで?」



その日

颯は部活に来なかった



渉香はオレより前から

颯と付き合ってた



別れてオレと付き合ったんじゃなくて

颯と付き合いながら

オレとも付き合ってた



その後すぐ

オレも颯も渉香と別れた



「渉香なんで?」



オレも聞きたかった



「颯と付き合ってても
ずっとキスしてくれないから…」



渉香はそぉ言った



「なんで、オレと?
オレのこと好きだった?」



「うん、好きだったよ
バスケしてる颯見てたら
傑くんて、かっこいんだなぁ…
好きかも…って思った」



あの時も

悪びれ無い様子で渉香は言った



今思うと浅はかな子供だった


ガキのくせにキスなんかしてんじゃねーよ!

あの時のオレに言いたい



親友傷付けて何やってんだよ



颯はオレのことを責めないで

ずっと親友でいてくれた



けど…



それから颯は女が嫌いになった



< 116 / 272 >

この作品をシェア

pagetop