オレにしか、触らせるな!
「あのさ…颯…」
「ん?」
「オレ、渉香に会ったんだ
…
颯の結婚式の帰りに…
偶然…」
今日
颯に言いたかったこと
「へー…
元気だった?」
「うん…」
「なら、よかった」
「あの時、颯
なんでオレのこと責めなかったの?」
「あの時って?
…
あー…中学の時?
今更?
…
なんでかな…
オレも悪かったから…
…
初めての彼女で
どぉしたらいいか
わからなかったのもあるけど…
…
オレ、あの時、あの人のこと
1番にできなかった
…
バスケ部のことが1番で
後回しにしてるところがあってさ
…
だから
誰も責めれなかった
…
1回だけ試合見に来てくれたことあってさ
スゲー嬉しかったけど
その時はもぉオレのこと見てなかった
…
傑のこと
好きだったと思うよ
…
きっとオレより
傑の方が
あの人のこと大切にしてたんだろうな…
…
ありがと、傑」
「いや、待ってよ
なんで、ありがと?
…
それ言うの
オレの方だし…
…
あんなことあっても
ずっと友達でいてくれて
ありがとう」
「オレも傑が友達でよかった
…
傑がいなかったら
今頃オレ、腐ってたかも…
あのメガネのまま
…
傑見てて
いつも羨ましかった
…
オレはずっと閉じこもってるのに
傑はどんどん前に進んでて…
…
でも
今、幸せだよ
オレ
…
瑠愛と結婚できた
…
オレは瑠愛としか
前に進めないと思う
…
だから…
もぉオレに遠慮しなくていいよ
…
あの人のこと
幸せにしてあげなよ」
「え…」
「会ってるんだろ?
…
あの人は
傑にしか幸せにできないと思うけどな…
…
今度、傑のこと裏切ったら許さないって
言っといて
…
まぁ、裏切らないか
ずっと傑のこと忘れられなかったと思うな…
…
大切にしてくれた人のことは
誰だって記憶に残るから…」