オレにしか、触らせるな!

「傑くん、シャワーありがと」



「少しは温かくなった?」



雨で身体が冷えた渉香にシャワーを貸した



「うん、抱きしめてみる?」



「オレの知ってる渉香は
そんなこと言う子じゃなかった」



渉香が笑った



笑うと大きな目がなくなって

代わりに出てくる笑窪



変わらない笑顔

オレの知ってる渉香



「新しい布団買ったんだった
泊まってく?」



「私が知ってる傑くんは
そんな人じゃなかった」



渉香

一緒にいたい



傑くん、好きな人いるでしょ

いるよ…



「スニーカー雨で濡れて帰れないかも…」



「じゃあ、どぉする?」



「泊めてください」



いいの?

好きな人いるんだろ



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