オレにしか、触らせるな!

「わぁ!ふかふか…」



ふたりで笑って新しい布団を出した



「これから寒くなるかな…って思って…」



もしかしたら

邪魔になって

捨てる事になってたかもしれないけど

準備しといてよかった



「ふかふかで、気持ちいいよ」



「うん…」



目が合って

放課後の教室を思い出した



「渉香…」



「ん…?」



渉香が泣きそうな顔をしたから

言えなかった



渉香…好きだよ



放課後の教室には戻れなかった



「なんで、そんな顔するの?」



オレが知ってる渉香は

そんな顔したことなかった



「…
傑くん、好きな人、いるんでしょ」



渉香がまた聞いた



「うん…いるよ…」



渉香も好きな人いるんだろ



だから最後って…



「いいの?
私なんか、泊めて…」



「うん…

渉香もいいの?
オレのとこなんか泊まって…

帰るなら、まだ電車あるし…」



「うん…

帰んない…」



「うん…オレは別にいいけど…

ねぇ、渉香…
明日、行きたいとこない?」



「明日?
明日も一緒にいれるの?」



「うん…
一緒にいたい…」



「じゃあ、水族館行きたい」



「わかった
水族館ね…」



「うん」



「おやすみ」



「おやすみ」



明日で

最後?



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