オレにしか、触らせるな!

「渉香、落ち着いた?
泣きすぎじゃない?」



渉香が泣きすぎて

アパートに戻った



「電車でもみんな見てた
オレが泣かせたみたいだったじゃん」



「うん、だって…
嬉しかった…」



「ほら、また泣いた」



ティッシュで渉香の涙を拭いた



「傑くん、ありがと…」



「オレ、こんなことしかできないから…」



「抱きしめてくれて嬉しかった…」



「だって、あんなとこで泣くから…
人が通るから隠した」



「手、繋いでくれて嬉しかった…」



「手繋がなきゃ
渉香泣いてて真っ直ぐ歩けなかっただろ」



「うん…
ずっと繋いでくれてて、嬉しかった…」



水族館からアパートまで

ずっと渉香の手を繋いでた



離したら

渉香の気持ちが変わるんじゃないかって…



大好き…って

言ってくれた渉香



渉香

ホントに?



「渉香…

ホントだよ…
オレ、渉香が好き…

1番なんだ、渉香が…」



「ホント…?」



「うん

信じられなかったら何度でも言うけど…」



「じゃあ、キスしてよ…

1番だったら、キスしてくれるんでしょ」



渉香は涙を拭きながら

微笑んだ



渉香の頬にそっと触れたら

渉香がゆっくり目を閉じた



まだ涙が滲んでた



「渉香…好きだよ…」



ーーー



気持ちは

放課後の教室に戻る



変わらないキス



優しくて

また触れたくなる



「傑くん…私も好きだよ…」



ーーーーー



「私、傑くんが初めてのキスだったよ」



「オレも渉香が初めて…

なんか、今更、恥ずいじゃん…」



「初めての時、まだ憶えてるよ

頬に傑くんの髪が当たって
くすぐったかった」



「やめろよ…思い出すじゃん

あーぁ…
全部初めてだったらよかったな…」



「お互い様でしょ!」



「かもね…」



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