オレにしか、触らせるな!

「永野さんと付き合うことになった」



あの日

眠れなくて傑に電話した



「なに?もぉ1回言って…」



「永野さんと付き合うことになった」



「なに?もぉ1回…」



「ごめん、傑…
傑も好きだったよね」



「うん、好きだよ
もぉ瑠愛ちゃんに気持ち伝えてあるし…」



「え?」



「楽しい夏休みを過ごそうと思って
夏休み前に瑠愛ちゃんに告った
たぶん告白だって思ってないと思う
瑠愛ちゃん」



「え?」



「自然に無視されたし
それについての返事ナシ!
ひどいよね?
ひどいよね?
ひどくね?
泣いたわ、オレ

ウソだけど…」



「どこからどこまでがウソ?」



「ん?全部ホント」



そう言って傑は笑った



「瑠愛ちゃんて
あんなにかわいいのに残酷だよね

たぶん颯しかダメだと思う
颯も瑠愛ちゃんじゃなきゃダメなんだろ?」



「んー…うん」



「オレは瑠愛ちゃんじゃなくても
恋愛できるから…

逆に瑠愛ちゃんダメだったし!
フラれたの初めてかも…
いや、フラれてない
オレの気持ちに気付いてない」



永野さんぽいな…

オレの気持ちちゃんと伝わったよね?

大丈夫だよね?

不安になった



「よかった
颯が次の恋愛できて…

おめでとう
お幸せに…」



次の恋愛…

今度はちゃんとできるかな?



「どーしたらいいかな?」



「え?なにが?」



「付き合うって…どーしたら…」



付き合うことに臆病になってたオレは

永野さんと実際どぉしたらいいか

わからなかった



「ただ瑠愛ちゃんを大切にしたらいいよ
あと好きって伝える
あ、オレは伝わらなかったけど…」



好きって伝える


どーやって?


傑ならどーする?



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