オレにしか、触らせるな!

「瑠愛、ごめん!」



瑠愛の家まで走った



瑠愛の部屋

瑠愛と恋愛が始まったこの場所



「颯、来てくれてありがと」



微笑んだ瑠愛を見て酷く安心した



「オレも瑠愛のこと、大好き…

瑠愛とずっと一緒にいたい」



「よかった」



この部屋で

瑠愛がオレの髪を撫でて言ってくれた



甘てえもいんだよ…



あの時

オレは瑠愛しかいないと思ったんだ



「瑠愛…好き…大好き…
大切にする…」



「もぉ、してもらってるよ

あのね…
傑くんに相談したの
私って
女性としての魅力がないのかな?って」



「…魅力?…え…なんで…」



「さっきも笑っちゃったし…
いい雰囲気だったのに、ごめんね

相談したらね
傑くん言ってた
颯は私のこと大切にしてるって

嬉しかった
大好きな人に大切にされてるって思ったら…

颯、ありがとね…」



泣きそうになった



瑠愛にありがとうって言われたこと


傑が瑠愛に言ってくれたこと



「ゴメン…瑠愛…
傑に相談するぐらいなら
オレに言ってよ

ひとりで考えてた?

オレ
男として頼りなくてごめん

瑠愛ももっとオレに頼ってよ
もっとオレに甘えてよ…」



瑠愛が心配してたこと

瑠愛に頼ってほしかったこと



自分が情けなくなった



全部

泣きそうになった



瑠愛と傑を一瞬でも疑った自分が

嫌になった



そのうち

瑠愛に愛想尽かされるかもしれない



そんなの、ヤダな…

絶対、ヤダ!



「オレ…
瑠愛のこと大好きだから…

それしか言えないけど…
ただ、それだけだから…

好きだから
一緒にいたい

好きだから
誰かに取られたくない」



オレにとって

瑠愛がどれくらい大事な存在か…



失ったら

もぉ代わりになるものなんてないと思う



失くしたくないし

誰にも触られたくない



ホントに宝物



「うん、じゃあ、私の気持ちも言うね

颯…
私は颯に出会って恋愛できた

颯は、私に全部見せてくれるでしょ
カッコイイ颯も…
弱い颯も…
照れてる颯も…

だから、好きなの

私はきっとこれからも
颯にしか恋しない

誰にも取られないし
いつも颯の隣にいたい

颯と一緒なら何もこわくないし
ずっと颯と一緒がいい

颯が私をずっと愛してくれてたら
私も颯をずっと愛してるよ

颯しかいないよ

颯が大好きだよ

私に恋をさせてくれて
ありがとう…」



オレよりずっと小さい瑠愛が

いつも大きく見える



初めて話し掛けてくれた日も

初めて一緒にバスケした日も

オレの彼女になった日も

オレのメガネを外してくれた日も

一緒に虹を見た日も



いつも瑠愛は大きくてキラキラしてた



「瑠愛…ありがと…ずっと好きだよ…」



「よかった」



瑠愛は小さな身体でオレを抱きしめて

あの時みたいに

オレの髪を撫でてくれた



「瑠愛…

甘えてもいい?」



「うん」



ーーー



顔を上げたら瑠愛がキスしてくれた



「瑠愛…ホントに好きだよ」



「うん、私も好きだよ、颯…」



「瑠愛…」



ーーー

ーーー



鎖骨辺りにキスしたら

また瑠愛が笑った



「…ごめん…颯…
やっぱり、くすぐったい…」



瑠愛が手で鎖骨を押さえた



「うん、いいよ…」



「颯、怒った?」



「怒ってないよ

瑠愛…」



「ん…?」



「瑠愛、かわいい…」



ーーー

ーーー



「きゃー…颯…」



わざと瑠愛の手を退けて鎖骨にキスした



「颯…やめてよ…きゃー…」



ふたりで戯れて笑った



瑠愛が笑うたびに

オレもくすぐったくて



瑠愛がやめて…って言うほど

かわいくてやめたくなくなる



「颯…ホントに…ホントに…
くすぐった、い…」



「瑠愛…ホントに…ホントに…
好きだよ…」



瑠愛が騒ぐたび

服が乱れて胸元が見えた



「颯…
ここ以外なら、いいよ…」



瑠愛が手で鎖骨を隠して言った



白くて華奢な指先が

薄い薄い紅色で塗られてた



ドクン…



「…瑠愛…」



ーーーーー



瑠愛の指先にキスした



「颯…私も甘えてい…?」



「うん…」



瑠愛と目が合った


瑠愛の顔に髪が乱れて掛かってた


いつもの瑠愛と違ってドキドキした



ドクン…



「颯…」



「ん?…なに?」



「優しくしてね…」



そう言って瑠愛は

オレに身体を委ねた



優しく瑠愛の髪を撫でて

優しくキスした



ーーーーー

ーーー

ーーー



ずっとかわいかった瑠愛は

オレが見たことない表情をした



ーーー

ーーーーー



いつも大きく見えてた瑠愛は

華奢だった



「瑠愛…綺麗…」



「ん…」



髪を撫でてた手を

瑠愛の身体に滑らせた



ーーー

ーーー



「瑠愛、くすぐったくない?」



「ん…くすぐったくないよ…」



瑠愛の白い肌が

爪の色みたいに薄く紅く染まった



ーーーーー

ーーーーー



「瑠愛、こわくない?」



「ん…こわくないよ…」



ひとつひとつ確かめ合いながら…



ーーー

ーーー

ーーー



「瑠愛、痛くない?」



「ん…痛くないよ

颯は?痛くないの?」



オレの身体を見て

瑠愛が不思議そうに聞いてきた



「うん…
瑠愛…

あんまり見ないで…
恥ずかしいから…」



「うん…」



目をそらした瑠愛も恥ずかしそうだった



ーーーーー



「瑠愛…顔見たい…
瑠愛の顔、見せて…」



「ヤダ…恥ずかしい…」



「好きだから…瑠愛…
全部、見せて…」



「うん…」



ふたりで確かめ合いながら…



ーーーーー

ーーーーー



「好き…颯…」



瑠愛が目を合わせて

オレを引き寄せた



ーーーーー

ーーー

ーーーーー



緊張してた瑠愛の身体が

少しずつ柔らかくなっていくのがわかった



ーーーーー



「瑠愛…
これからももっと…大切にする」



ーーーーー



「うん…

もっと好きになるね…颯…」



ーーーーー

ーーー



瑠愛…

ありがとう



オレに恋してくれて



ずっと愛してる

瑠愛



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