オレにしか、触らせるな!

大学の友達と
傑がバイトしてるカラオケに行った



「傑、久しぶり…
大学どぉ?
ずっと連絡ないから忙しいのかな…って」



「うん、順調に忙しい」



「彼女できた?」



「うん、それしかない」



さすが傑


まだ5月になってなかった



「傑らしくて安心した」



「なんだ、それ…

瑠愛ちゃん元気?」



「うん、変わんない」



「なら、よかった

最後に公園で会った時
相談されたから…

優しくした?」



「え?」



「ヤッたんだろ、瑠愛ちゃんと…

またなんかあったら
いつでも相談してね♡って言ったけど
連絡ないから…

あー…うまくいってんだなーって
解釈してたけど…

瑠愛ちゃん、
ちゃんとオレが教えたこと実践したかな?」



傑がオレを覗き込んできた



「瑠愛に変なこと吹き込むなよ」



「感謝してよ

ちゃんと言った?瑠愛ちゃん
優しくして…って…」



「え!それも傑が教えたの?」



「あー…言われたんだね…」



「エロい目で見んな!」



「だって、エロい話だし!
あ、仕事中だった…

いらっしゃいませ〜」



「ごめん、仕事のジャマして…」



「羨ましいな…」



傑が傑らしくない声を出した



「え?なにが?
自分だって新しい彼女できたって…」



「うん…また新しい彼女…

あと何人と付き合ったら
気が済むのかな?オレ…」



「そんなの、傑らしくないけど…」



「いいよね…
ひとりの子をずっと大切にできるって…」



傑がしみじみ言った



オレは傑みたいに

すぐに次の恋愛にいくとか絶対無理だったけど

いつもすぐに気持ちを転換できる傑が

羨ましい時もあった



「きっと颯、幸せになるよ

瑠愛ちゃんも
きっと幸せになる

よかった
オレ、颯に幸せになってほしかった

ありがとう
なんか、嬉しい」



どーした?




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