オレにしか、触らせるな!

「あー…笑った
久しぶりに、こんなに笑った」



「ど、どのへんがそんなに面白かった?」



「だってさ
永野さん、真顔で聞くんだもん
そしたら、傑って…」



まだ棒くんは笑ってる



「だって、真剣に聞いたんだよ!私

棒くんだって…
棒くんだって真剣に
傑くんのこと…好きなんでしょ?」



「だから…
もぉ…笑わせないで…」



「え?
じゃあ、違うの?」



「うん、ぜんぜん…
アイツ、男じゃん

女子苦手だけど
男が好きとは言ってない

傑のことは好きだけど
友達として…」



「なんだ…」



「なんだ…って
なんか、残念?」



「ちょっと真剣に考えてたから、私

バカみたい…」



「ごめん…
余計なこと考えさせて…

でも、オレのこと
真剣に考えてくれてたんだ
ありがと

あ、そろそろ奏帰ってくるかな…」



「ホントだ…
もぉこんな時間」



外が明るかったけど6時を過ぎてた



「永野さんいると奏ウルサイから…

ごめん…
近くまで送るよ」



「うん、帰るね
奏くんにヨロシクね」



「永野さんここに来たことは言わない
アイツ、家族に言いそうだから…」



「言われたらダメなの?」



「ダメでしょ
女の子、部屋に入れたとか…」



「女の子…」



「永野さん、
他の男子の部屋にも遊びに行くの?」



「え…」



「行ったら、ダメだよ」



ドキン…



「なんて…オレが言う権利ないけどね」



棒くん

私のこと心配してくれてるのかな?



< 91 / 272 >

この作品をシェア

pagetop