オレにしか、触らせるな!
「あー…笑った
久しぶりに、こんなに笑った」
「ど、どのへんがそんなに面白かった?」
「だってさ
永野さん、真顔で聞くんだもん
そしたら、傑って…」
まだ棒くんは笑ってる
「だって、真剣に聞いたんだよ!私
…
棒くんだって…
棒くんだって真剣に
傑くんのこと…好きなんでしょ?」
「だから…
もぉ…笑わせないで…」
「え?
じゃあ、違うの?」
「うん、ぜんぜん…
アイツ、男じゃん
…
女子苦手だけど
男が好きとは言ってない
…
傑のことは好きだけど
友達として…」
「なんだ…」
「なんだ…って
なんか、残念?」
「ちょっと真剣に考えてたから、私
…
バカみたい…」
「ごめん…
余計なこと考えさせて…
…
でも、オレのこと
真剣に考えてくれてたんだ
ありがと
…
あ、そろそろ奏帰ってくるかな…」
「ホントだ…
もぉこんな時間」
外が明るかったけど6時を過ぎてた
「永野さんいると奏ウルサイから…
…
ごめん…
近くまで送るよ」
「うん、帰るね
奏くんにヨロシクね」
「永野さんここに来たことは言わない
アイツ、家族に言いそうだから…」
「言われたらダメなの?」
「ダメでしょ
女の子、部屋に入れたとか…」
「女の子…」
「永野さん、
他の男子の部屋にも遊びに行くの?」
「え…」
「行ったら、ダメだよ」
ドキン…
「なんて…オレが言う権利ないけどね」
棒くん
私のこと心配してくれてるのかな?