オレにしか、触らせるな!
「あ、ここでいいよ!
ここからすぐだから!」
「うん…
…
永野さん…
オレもひとつだけ聞いてもいい?」
「ん?うん!なに?」
「あのさ…
…
この前のカラオケでも聞いたけど…
まだ、恋愛に興味ない?」
「んー…うん…
まだ、よくわかんない…」
「そっか…」
棒くん
どぉ思ったかな…
いい加減、変な子だと思うよね
棒くんは
少しずつ変わってきてるって
傑くん言ってたのに…
私は相変わらず…
「やっぱりおかしいよね?私
棒くんも思うでしょ!」
「いや…
永野さんのペースでいいと思う
…
無理することないよ」
「うん…」
棒くん
優しいな
「もうひとつ…
もぉ1個質問してい?」
「うん、なに?」
「この前、傑に抱きしめられた時…
どんな気持ちだった?」
「え…」
あの時…
「答えたくなければ…
答えなくていいよ」
「アレは、だから、傑くんがふざけて…」
「好き?
傑のこと…」
「好き…って…
…
棒くんだって
傑くんのこと好きなんでしょ!
それと同じだよ!」
「そっか…」
棒くん
今度は笑わないの?
腑に落ちない顔
赤だった信号が青になった
「永野さん、また明日ね…」
「うん、また明日…」
棒くんに手を振って信号を渡った
気持ちは楽しいのに
気分が重い
笑いたいのに
うまく笑えない
信号を渡りきって
後ろを振り向けなかった
棒くんはまだいてくれてるかな?
笑顔で私を見送ってくれてるかな?
それとも
もぉいないかな…
振り返るのがなんか不安で
真っ直ぐ進むのが
精一杯だった
気持ち悪いよ
暑さのせいかな?