私しか、知らないで…
ファミレスまで
通話を切ってから30分ぐらいかかった
土曜の午後3時
自転車を15分ぐらいこいだ
暑い
「1名様ですか?」
「いえ…」
涼しい店内を見渡した
ノートパソコンを開いて座ってる
女性の後ろ姿が見えた
アレかな?
ゆっくり前に回ってみた
「おつかれ〜」
彼女がオレの顔を見て言った
そんな疲れてるかな?オレ
「どーぞ…
暑かったよね」
ノートパソコンを閉じて
オレのスペースをあけてくれた
リュックをおろして
肌に張り付いたシャツで扇いだ
「一生懸命自転車こいでたね」
「見てたんですか?」
「うん、窓から見えた
まだ車乗れないもんね」
子供ってバカにされたみたいで嫌だった
「受験勉強はかどってる?」
あ、そっか…
それで来たんだった、オレ
「先に飲み物飲んでもいいですか?」
「うん、ごめん、ごめん…
どーぞ、飲んで…
あ、私のアイスコーヒーも持って来て!
ガムシロいらない
ミルク2個」
「はい…」