私しか、知らないで…
小学生の時
初めてできた女の子の友達
オレはその子に恋をした
「ほくとー!
わたしもサッカーしたい!
さゆちゃんとりりちゃんさそったけど
ボールあたるといたいからヤダって…」
「いいよ!
じゃあ、かえったら
にしのこうえんきてね!」
「やったー!」
花澤 香澄
同じクラスの女の子だった
「はなざわ!パス!」
「ほくと!シュート!」
「あ!はいった!」
「やったー!ほくとー!
すごい!ほくと!
わたしもほくとみたいなシュートしたいな!
かっこいい!ほくとのシュート」
かっこいいのはシュートなのに
オレ勘違いしてたかも
花澤は
一向にオレを好きになる気配はなかった
「ほくとがいるなら
さゆちゃんもサッカーやりたいって!」
「いいよ!
みんなでやったほうがたのしいから」
「さゆちゃんね、ほくとがすきなんだって!
ほくともさゆちゃんのことすきでしょ?」
「え、おれ…」
オレはその時
もぉ花澤が好きだった
「わたしもすき!
ほくとサッカーうまいから
シュートかっこよくて、すき!」
「え、おれも…
おれも、すき!
はなざわのこと、すき!」
「みんなすきだね!
たのしいね!
みんななかよし!やったー!」
なんか違った
好きの種類が
「さゆちゃん、ひやけするからみてるって!
あっちから、ほくとのことみてるって!
いっしょにしたほうがたのしいのにね!」
日焼けしてても
太陽の下
元気いっぱい走り回る花澤が
キラキラしてて
オレはずっと目が離せなかった