私しか、知らないで…

中学になって
クラスは一緒になることはなかったけど

花澤がずっと気になってた



花澤が誰の隣の席か

部活は何か

なんの委員会に入るのか

好きな人はいるのか



3年間ずっと気になってた



「花澤!」



廊下ですれ違った時

思いきって話し掛けた



「北翔!」



かわらない笑顔

キラキラしてて

目が離せなくなる



「あ、元気?」



「うん!元気!
なんか北翔、声が違う?
風邪?」



「いや、別に…元気だけど…
花澤も元気そうだね
高校、どこ受ける?」



「第1志望は、緑ヶ丘
あ、みんなに内緒ね!
まだ誰にも言ってないから

北翔は?どこ受けるの?
サッカー上手いから推薦とか?」



「オレも緑ヶ丘!」



「えー、ライバルか…
でも、嬉しいかも
受かったら一緒に帰ったりできるかな?」



「うん、一緒に帰ろう」



「頑張ろうね!」



ずっと話してなかったのに

やっぱり好きだなって思った



ちなみに緑ヶ丘はオレの志望校ではなかった



ただ花澤と同じ高校に行きたかった

それぐらい花澤が好きだった




< 198 / 250 >

この作品をシェア

pagetop