私しか、知らないで…
「花澤!3−Aも卒業パーティー?」
「うん
北翔のクラスは?」
「3−Cもカラオケ行くから
今日は花澤と一緒に帰れないな」
「うちもカラオケだよ」
「え、マジ?じゃあ、一緒に…」
「私、先生のところ寄ってから行くから
最後の餌付けもしなきゃ…」
「へー…
…
言うの?藤森に…」
「ん?」
「気持ち伝えるの?」
「うん…
北翔も気付いてた?」
「うん」
北翔には
先生に対する私の気持ちも
先生にフラれたことも話してなかった
「北翔まで気付いてたのに
先生には伝わらなかった
受け入れてもらえなかった」
「きっと伝わってたよ
花澤の気持ち
…
受け入れなかったのは
先生の立場だからじゃね?
…
卒業したら、もぉ自由じゃん
きっと、今日は…」
「うん…
伝えてくる
…
北翔、いろいろありがとね」
「別に…なんもしてねーし…」
卒業式までずっと
北翔は私のボディーガードをしてくれた
それから
ずっと友達でいてくれた
手が繋がれるのは電車の中だけ
それも
もぉなくなる