私しか、知らないで…

「明日、何時?」



ドキドキ…



また胸の音を隠すのに北翔に話し掛けた



「え?」



ドキドキ…



「会いたかったら会ってもいんだよね?」



ドキドキ…



「あぁ…」



ドキドキ…



「私は…髪の毛巻きたいから
早くても10時かな…」



ドキドキ…



「じゃあ、花澤に合わせる」



ドキドキ…



「電話もしてもいんだよね?」



ドキドキ…



「うん…」



ドキドキ…



「じゃあ、お風呂入ったあとするね!」



ドキドキ…



「うん…」



ドキドキ…



「好き…って
好き…って言ってもいんだよね?」



ドキドキ…



「え、うん…」



北翔の耳がもっと赤くなった



ドキドキ…

ドキドキ…



そんな恥ずかしそうにされたら

私も照れるよ



ドキドキ…

ドキドキ…



「北翔、好き」



ドキドキ…

ドキドキ…



恥ずかしいけど伝えたい



ドキドキ…

ドキドキ…



「だから、やめろ…」



ドキドキ…

ドキドキ…



「北翔、耳赤くて面白いんだもん!」



照れ隠しに笑ったけど

北翔は真剣に照れてた



ドキドキ…



北翔の耳を触ったら

熱くて



ドキドキ…



私の手を掴んだ北翔の手も

熱くて



ドキドキ…

ドキドキ…



ドキン…



ーーー



急に触れてきた唇は

ぎこちなくて

温度を知る余裕もなく離れた



ドキドキ…

ドキドキ…

ドキドキ…



「しても、いんだよな?
オレ、言ったよな?
キス、するって…」



「うん…」



両手を北翔に掴まれて支配されてる



ドキドキ…

ドキドキ…



動けないし

北翔の声が男の人の声で焦った



ドキドキ…

ドキドキ…

ドキドキ…



たぶん私

北翔の耳より赤いし熱い



ドキドキ…

ドキドキ…



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