私しか、知らないで…

「じゃあ、明日10時ね…
駅でいい?」



北翔が先に話し出した



ドキドキ…



「うん…どこ行く?」



ドキドキ…



「考えとく…」



ドキドキ…



「え、ラーメンとか牛丼じゃないの?」



「花澤が行きたいならいいけど…

髪巻くって言ってたから
違うとこがいいかな…って…」



北翔が私のことを

少し女の子に見てくれてる気がして

嬉しかった



「北翔と一緒ならどこでもいいよ!

あ、明日もキスするの?」



「…」



「北翔?」



「もぉ、しない…」



「なんで?もぉ好きじゃないの?」



「オマエさ…
そーゆーの普通女子の方が
恥ずかしがるんじゃねーの?」



「え、あ、ごめん…
もっと女心勉強するね」



「オマエ、かわいい…」



「え?」



「もぉ!なんでもない!
ごめん!
オレ、なんかおかしいわ
今、いっぱいいっぱいだから!」



「うん…」



男子も恥ずかしんだ

北翔いっぱいいっぱいなんだ



私って

男心も女心もわかんないな



ドキドキ…

ドキドキ…

ドキドキ…



手から伝わる

この心地いい振動は

どこからきてる?



私かな?

それとも北翔?



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