許す事ができるの?
小さいときから咲茉には、
嘘は、ダメ。
例え、優しさからくる嘘でも
その人を欺く事になる。
と、教えている。
世の中、嘘も方便
使わないと行けないときもある。
だが····
騙す嘘
欺く嘘で
自分の利益だけの嘘は、ダメだと話す。
咲茉には、わからないかも知れないが
私のような事には
決してなって欲しくない。
咲茉が一歳になると
私は、教師に復職した。
咲茉は、保育園に預ける事にした。
一歳まで、沢山の病気もした。
命にかかわるような病気ではないが。
一人であたふたすることもあったが、
ご近所のおばあちゃん
おじいちゃんに教わりながら
やり過ごしてきた。
ありがたい、沢山の知恵を
教えてもらえた。
咲茉は、おしゃべり好きな
優しい子に育ってくれた。
だが、急に自分以外の人に
預ける事は心配で
ならし保育をしたが····
やはり、二、三日は後追いをしていた
でも、先生から
「お母さん、辛いかも知れませんが
振り向かずに行ってください。
お母さんの姿が見えると
咲茉ちゃんも泣きますから
私達を信頼して。」
と、言われて
涙がたまる目を上に向けて
「ありがとうございます。
宜しくお願い致します。」
と、言った日から·····
はや······二年が過ぎ·····
咲茉は、三歳から
保育園系列の幼稚園へと変わり
登園している。
そう言えば、いつだったか
こんなこともあった·····
« コンコン »と、
少し咳が出ていた私に
咲茉が、
「ママ、かぜ?きつい?」
と、訊かれて心配かけたくなくて
「ちょっと咳がね。でも大丈夫。」
と、返すと
「ママっ、嘘はダメ」
と、体温計を出されて
« やられた »、と計ると
37度8分。
「ほら?びょういんね。
おやすみなさい。」
と、言われて
自分は、さっさと玄関を出ていく
「咲茉!!」
と、呼びながら玄関からでると
隣のおばあちゃんと手を繋いで
« バイバイ »をしている。
おばあちゃんに頭を下げると
「後で、お粥もっていくから
それから、病院に行くと良いよ。」
と、言って貰えた。
本当に、感謝しかない。
おばあちゃんから
お粥をもらい
おばあちゃんに移したら行けないからと
伝えて直ぐに病院へ。
教頭先生にも連絡した。
病院の薬のお陰で
熱も下がり咳も少しになり
マスクをして咲茉のお迎えへ······
幼稚園の先生から
「まぁ、お母さん大丈夫ですか?」
と、言われて
またまた、しゃべったなぁ
と、咲茉をみると
ニコニコ笑っていた。
先生から
「ママ、一人で大変だから
たまには、お休みさせてあげたいの。
って、咲茉ちゃんが言ってましたよ。」
と、言われて
「咲茉、ありがとう。
病院行ったら、すっごく楽になったよ。」
と、言うと
ホッとした顔をして
「よかった。」
と、言っていた。
先生にお礼を言って
隣のおばあちゃんに果物を買ってから
お礼を言って渡した。
本当に、咲茉には沢山助けられた。