許す事ができるの?
ある日······
その社長から
「息子が、専務となる
そいつの秘書をしてくれ
そして、息子の動向を
報告して欲しい」
と、言われた。
私が、悲しんでいる時に
手を差し出してくれた社長の
言葉に私は直ぐに了承した。
配属初日······
私は、息をのんだ
青木 律君が·····専務?息子?····
律君も驚いてる···
だが、その顔は嫌悪の顔····
私は、どにらにも気づかない振りを
して声をかけた。
「社長より、本日付けで専務秘書を
申し付けられました。
宜しくお願い致します。」
と、伝えると
律君からも
「···宜しくお願いします。」
と、言ってもらえた。
彼との日々の中で
彼が、付き合っていた女性と
結婚したことがわかった。
その女が·····
私を排除するために····
サークルの仲間と離すために·····
律君にあんなこと言わせたのだ·····と
私の中では·····
怒りと嫉妬と
あんな女に騙されている
律君が可哀想で
たまらない気持ちだった。
両親のいない私に
社長は、優しく
律君は、心の支えだった·····
父は、私が小さい頃
交通事故をお越し
相手の方は亡くなった。
その事故の処理を全て母が行った。
父の会社や相手の会社の謝罪
保険への対応
一番は、相手のご家族への謝罪
これは、いたたまれないものだったと。
そして、父や母の親族からも
責め立てられ、全てが終わった時に
母は、家を出た。
人の良い父は、他の人の夜勤を変わり
母からずっと注意をされていたらしい
だが、父はそれを聞かず
事故を起こした。
そんな父に嫌気がさしたのだろう。
父が警察署から戻ってきた時には
母は、居なかった。
それからは、生活も荒れ
父は、病気で亡くなった。
私は、母にひどい事を言ってしまったと
悔やんでいた母の妹夫婦に
育てられたが、大学に入るときに
その家をでた。
おばさん達には
本当に可愛がって貰えたが
どちらも気を使いすぎて疲れていた。
母がどこにいるかも知らない
母は、誰も知らない所で
新たな生活をしていると
思っている。
私は、両親と暮らしていた家を
売ったお金で大学に行った。
そんな両親の話や
大学時代から大切にしていた後輩が
女に騙されてひどい言葉を私に
投げショックを受けた事などを
きいてくれて
全てに優しさを与えてくれたのは
水島の社長だった。
だから、社長の為
律君を救う為に
自分が、
しっかりして支えたいと思っていた。