許す事ができるの?
5️⃣※※現在②
···三人の関係
咲茉が、動物園に行きたい····と。
歩いて大丈夫かな?
と、思いながら
上杉さんにLINEをすると
『本当に、久しぶりで楽しみです。』
と、返信が来て。
咲茉には、
「上杉さんに無理を
言わないように。」と、話すと
「大丈夫だよ。」と、返された。
上杉さんは、日曜日・時間通りに
やってきて
「今日は、電車で行きましょう。」
と、言った。
きっと、私の精神的な配慮だと思い
「ありがとうございます。
ですが、くれぐれも無理はしないで
くださいね。」
と、伝えた。
咲茉は、とても嬉しそうだ。
「中々、遠出が出来ていなかったから。」
と、上杉さんに
そう話すと
「良かった。」と言われた。
電車で上杉さん、咲茉、私と並んで
座っていると
スッゴいイケメンの旦那さんに
綺麗な奥さん
子供もめっちゃ可愛い
いるんだね、こんな家族····と
回りから、ひそひそと聞こえる
上杉さんを見て、顔を赤くしている女性や
学生さん達に。
こんな私で申し訳ないと思っていると
「光栄だな。こんなに可愛い娘と
こんなに綺麗な奥さんを持つ
夫・父親に思われて。」
と、口元を手で隠して
話す上杉さんに。
咲茉は、クスクス笑いながら
「パパとママとお出かけ出来て
嬉しいなぁ。」
と、言うから
私と上杉さんは、びっくりして
顔を見合わせて笑ってしまった。
もう、本当に、咲茉ったら·····
と、思っていると
「ごめんな。中々お出かけ出来なくて。」
と、咲茉の頭を撫でながら
言う上杉さん。
もう·····ノリノリ·····
「なぁ、ママ。」
と、私にふるから
「えっ、ええ。」
と、やっと····言うと
二人が笑いだして
私も笑ってしまった。
回りの人達は、唖然としながら
ため息やら····
羨ましい····と·····
やっと、降りる駅について
三人で降りて、また笑ってしまった。
「もう、上杉さん乗りすぎですよ。」
と、言うと
「嬉しかったなぁ。」
と、上杉さん。
すると、咲茉が
「じゃ、陽ちゃんは、今日はパパね。
ほら、パパ行くよ。ママも。」
「やった!ありがとう。
では、咲茉、けっ、恵、行くよ。」
と、咲茉の手を繋いだ。
咲茉は、私の手を繋いで
三人で歩く。
もぅ、と思いながら
浮き足だつ自分に
可笑しくなる。
本当に終日····
上杉さんは、パパで
私は、ママ。
上杉さんは、私を恵と呼び
私は、陽史さん····と呼んだ?
咲茉は、ニコニコしながら
動物を見たり
乗り物に乗ったりしていた。
私は、
「陽史さん、体大丈夫ですか?」
と、少しして訊ねると
「うん。ありがとう。」
と、ニッコリ笑いながら
返すから、こちらが赤面してしまう。
咲茉が
「パパ、ママ、早く。」
と、先を歩きながら呼ぶと
「ほら、恵、行くよ。」
と、私の手を取り繋いで
歩きながら
「咲茉っ、待って。」
と、上杉さん。
照れるし····恥ずかしい····けど
ワクワク、ドキドキしている
どうしたのだろう·····私。
不思議な気持ちだが
楽しく一日を過ごした。