許す事ができるの?
···企み?
社長が使っていた調べ屋に
私も個人的に依頼をした。
あの女がどこに住み
結婚しているのか····を。
「簡単でしたから」
と、調べ屋から
一日で連絡がきた。
女は、荒垣 恵と言い
夫は、いない。
結婚はせずに子供がいる?のか
それとも死別?か
妻子ある人なのか?
不明だが·····
女は、子供と二人で
社長のいる病院の近くに
住んでいた。
休みの日·····
社長のお見舞いに行った帰り
あの女を見つけた。
悔しいかな、目につく女
颯爽と歩いている
良くみると子供と一緒だ。
信号は····赤····
信号待ちをしている姿を
見ていると体が動いて·····
文句を言ってやろう
走って近づくと
人があちこちにいて
避けながら、ぶつかりながらを
繰り返していると
ぶつかった人から押しかえされて
ぶつかったのが、女の娘で
女と娘の手が離れて
娘が道路へ····と····でてしまった
唖然とする私の横を風が····
きゃーっ、ぎゃーっ····と声が
聞こえる·····なか·····
いきなり横から男性が
走ってきた····と
同時に·····
キィ!! ドォーン!!
と、音が·····
呆気に取られていると
回りの人が、救急車を呼び
女に何かを言っている
女は、えま!!えま!!と
娘の名前らしい名を叫んでいる
女の子が返事をした
足がガタガタふるえ
立っているのもやっとで
一度····座りこみ
だが·····ここにいては、行けないと
やっとの思いで立ち上がり
その場を離れた
ふらふらしながら
タクシーをとめて
乗り込んだ。
運転手さんに
「お客さん、大丈夫ですか?
真っ青ですし、ふるえてますが。」
と、言われて
「だっ、大丈夫···です。」
と、返事を返した。
マンションに付き
部屋に入ると、その場に崩れた
わっ、わたしはっ、わざと
したのではない!!
ぶつかっただけっ!
あの女がいけないのよ!!
ちゃんと娘の手を繋いでないから
やっ、やっぱり、
いい加減な、女なんだわ
私は、息を整え
自分を落ち着かせ
私は、悪くない
私は、何も悪くない
と、何度も言い聞かせた。