許す事ができるの?
···確認
どうしても気になり
高校の帰りに水島建設の前を通ってみた。
すると····やはり····あの時の女性だ
水島建設の社屋から出てきた
その人に
「あの?すみません。」
と、声をかけると
その人は、振り向き
「私でしょうか?」
と、言った彼女の顎にほくろがあった。
やはり、間違いない。
「あなた、この間
総合病院近くの横断歩道で
女の子にぶつかりましたよね?」
と、言うと
その女性は、みるみる顔が強張り
「知らないわ。そんな事!」
と、言うから
「わざと押したと言っているわけでは
ありませんが。
あの親子に何かあって近づいたの
ですよね?」
と、言うと
「あなたになんの関係があるの?
あの女が、何か言った?」
「あの女とは?」
「荒垣よ!!」
「やはり。
あなたは、荒垣さんを
知っていて近づいたのですね?」
「あの、あの女がいけないのよ!!」
「荒垣さんは、何もしていないと
思いますが。」
「あなたは、知らないのよ。
あの女に騙されてるのよ。
あの女は、律君と私を引き離したのよ!!」
と、大きな声で叫ぶ·····と
「戸川さん、それはどう言う事ですか?」
と、後ろから男性の声がして
二人で振り向くと······
「りつ·····専務?!」
と、言う女性
陽史は、振り向いて男性を見て
咲茉の父親だとわかったが
「あなたは?」
と、訊ねると
「私は、青木と申します。
それで、戸川が何か?」
と、言われて
「場所を移しませんか?」
と、俺が言うと
また、別の男性の声が
「律君、中を使いなさい。」と。
「健さん、すみません。
少しお借りします。」
と、青木さんが言うと
「まだ、靖がいるから
連絡しとくよ。」
と、言われて
青木さんの案内で
俺たちは、水島建設の会社の中に入った。
そこで、陽史は改めて
自分の紹介をした。
青木さんも、青木 律だと名乗り
女性の事も戸川 朱里だと言った。