許す事ができるの?

···嘘と離婚


その日は·····

学校の忘年会が
帝国ホテルで行われた。

律も今日は忘年会だと言っていたが····

忘年会も終わり帰宅途中に
国際ホテルの前を通ると····
律の姿が見えた。

「 あっ 」と····声をかけようと
  ···したが···

「専務お時間です。」
と、女性が
「ああ、わかった。」
と、答えた律。

専務···?···律が····?専務····?

国際ホテルの
回りにいたスーツ姿の方に
「あの、あの方は?」
と、そっと訊ねると
「水島建設の専務ですが····
        なにか·····」
と、言われていたが····

私は、どうやって帰ったのか
マンションのソファーに
座っていた。

律が····専務?····
律は、私に·····嘘を····なぜ····?····

「ただいま。
   恵、もう終わったの?」
と、律。

なにも答えない私に律は
「どうしたの?」
と、顔を覗きこんできた。

「律、今日は忘年会どこであったの?」
と、問う私に
「居酒屋だよ。」
と、彼は、平然と嘘をついた。
躊躇···する·····ことも····なく····

この人は、こんなに簡単に
私に嘘をつくんだ。

「····そう。そうやって
私をずっと騙してきたんだ。
平然と嘘をついて。」
と、言うと
「何を言っているの?嘘なんか。」
と、慌てて答える律に
「水島建設、専務さん。」
と、言うと
黙ってしまった。

「嘘つき!

ずっと····初めから·····

ずっと私を騙していたんだ
明日·····出ていきます。
離婚して下さい。
嘘をつくような人とは
一緒にいれない。

あっ、もしかして結婚も嘘?
婚姻届も提出されてないとか?

もう······あなたの全てが
信じ····られ······ない·····。」
と、言うと私は、
その場を離れピアノが
置かれてる部屋に入り
そのまま鍵をした。
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