許す事ができるの?
···咲茉と陽史
私と陽史さんは、
咲茉の帰りを近くの公園で待つ
「恵、ごめん。
勝手な事を言って。」
と、言う陽史さんに
私は首を振りながら
「ううん。陽史さんの気持ち
嬉しかったし。
水島建設の社長さんや副社長さんの
気持ちもわかったから。」
と、言うと
「そう·····良かった。」
と、陽史さんは、ホッとしたような
顔をした。
すると····話し声が····
陽史さんが立ち上がると
「あっ、陽ちゃん!!」
と、声がして
咲茉が走ってきた。
陽史さんも公園の入り口に走り
咲茉を抱き上げた。
咲茉は、陽史さんの首に腕を回す
と······
「咲茉ちゃんのパパ?」とか
「背、大きい!」とか、
回りの子達から·····
「咲茉と一緒に帰ってくれて
ありがとう。」
と、私が言うと
みんな、« バイバイ »と
帰って行った。
咲茉が
「陽ちゃん、どうしたの?」
訊ねると
「咲茉と恵に会いたくて来たの。
ダメだった?」
と、言う陽史さんに
咲茉は、首を振りながら
「咲茉も、会いたかった。」
と、言った。
「咲茉、ごめんね。
ママのせいで、咲茉にも
陽史さんにも嫌な思いさせて。」
と、私が言うと
「ママは、咲茉が大切だから
咲茉に悲しい思いや
辛い思いをさせたくなくて
いっぱい悩んだんだよ。
でも、俺が
咲茉や恵に会いたくて
お願いをしたんだ。
そしたら、ママは咲茉の気持ちを
訊きながら、と言ってくれたんだよ。」
と、陽史さんが言ってくれると
咲茉が私を見るから
私は、咲茉に頷いた。
「私は、ママが好き、大好き!
そして、陽ちゃんも好き、大好き。」
と、言うから
「俺も、咲茉も、恵も大好き。」
と、陽史さんが思ってもいないことを
言うから
恵は、真っ赤になると·····
咲茉に
「ママは?」
と、訊かれ
「咲茉は、ママの大切な宝物。
陽史さんは、····心やすげる人」
と、答えると····
陽史さんは、口をあけて
顔を真っ赤にしていた。
私達は、三人で買い物をして
マンションへ帰り
陽史さんは、夕飯を食べて
「明日は、俺とデートしようね。」
と、咲茉に言って
二人で行く所を決めていた。
そんな二人を見ながら
ゆっくり、進んで行こう
と、恵は思っていた。