許す事ができるの?

···精神的不安


少し·····すると····

« コンコン »と。
田辺先生がドアを開けると
「ママっ」
の、声と共に
咲茉が椅子に腰かけてる恵に抱きついた。
恵は、咲茉を抱き締め返し····
咲茉に
「ごめんね。ごめんね····」
と、繰り返す恵
咲茉は、
「ママっ、咲茉は大丈夫だよ。
大丈夫だからね。」
と、言う。

陽史さんは、そんな私の
背中を矢野先生にかわり撫で
「恵、咲茉は大丈夫だよ。
咲茉は、ここにいる。」
と、何度も言ってくれた。

恵は、少しずつ落ち着いてきた。

「わかりますか?
荒垣さんは、まだ、このような
状態なんです。」
と、矢野先生。

陽史は、
恵の膝の上に咲茉を乗せ
自分も横に腰かけた。

「咲茉、ごめんね。
陽史さんとデート出来なくて。」
と、言うと
「ううん。陽ちゃんが
すごく心配していたし
いつでも行けるからね。」
と、咲茉が陽史に
笑いながら言うと、
陽史は、真っ赤になっていた。

靖は、戸川のやったことが
許せなかった。

律は、恵に言われた言葉の意味が
わかり、申し訳ない気持ちと
自分の甘さに、
自分は何も変わらないんだと
改めて思い項垂れる。

そんな律に
「青木さん、戸川さんの件は
社長や副社長がきっちり
してくれます。
あなたに他に話がないようでしたら
荒垣さん達にはお帰り頂きます。」
と、田辺さんが言うと
「恵、俺は、あの時から
何も成長してないのが
良くわかった。
ほんといつまでたっても
俺はダメな人間だ。
本当にすまなかった。」
と、言い律は頭を下げた。

私は、もう口を開くの嫌だったが
「青木さん、もう謝罪は結構です。
戸川さんの件さえ、きちんとして
頂けたら、それで。」
と、言うと
「ママっ、このおじちゃん?と
知り合い?」
と、咲茉が訊ねた。

陽史さんがおじちゃんと言った時
寂しそうな顔をしたから
おじちゃんと呼んでよいのか
考えたようだ。
「うん。咲茉が生まれる前ね。」
「ふぅん。ママを恵と呼ぶから。
みんな、お友達?」
「お友達ではないよ。」
と、副社長の靖さん。

私は、咲茉に
矢野先生と田辺先生を紹介し
靖さんを紹介した。
だが·····
律の事は、言い····よどむ····
嘘を言いたくない·······が······

言葉が止まった私に
咲茉は、首を傾ける

すると、陽史さんが
「恵、話してみたら?」
陽史さんに話した事は····ない···

だが···彼は、わかってるんだ。
陽史さんの顔を一度見て

咲茉を膝からおろして
咲茉の目線に座り
「咲茉、あのね。
この人は、青木 律さんと言う方で
咲茉のお父さんなの。

咲茉に、いつかきちんと
話さないといけないと
ずっと思っていた。
と、言うか、いつか聞いて欲しいと
思っていたの。
ごめんね。遅くなって。」
と、言うと
咲茉ともう一人、咲茉とは違う
驚きをもっている人がいた。
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