許す事ができるの?
···家族?
靖さんから、会社を出るときに
「ここに行って下さい。」
と、言われて
その店に行くと
個室で咲茉も食べれるような
物もあり、四人で食事をする事にした。
咲茉は、道すがら律と手を繋ぎ
恵は、由紀子と話ながら
歩いていた。
陽史さんの事は
気になっていたが
今は、きちんと話をしようと
思っていた。
律は、改めて
私とお義母さんに謝っていたが
咲茉に
「パパ、謝ってばかりだね。
沢山、悪いことしたの?」
と、言われて
私とお義母さんは笑ってしまった。
「律、もういいよ。
ただ、戸川さんの事だけは、
きちんとしてほしい。
咲茉には、絶対に関係して
欲しくないから。」
と、言うと
「健さんと靖さんと
話して必ずきちんとする。
咲茉には、二度と近づけない。
もちろん、恵にも。」
と、言うから
「お願いします。」
と、恵は頭を下げた。
すると、由紀子は
「いつまで経っても
あなたは、ダメね。
咲茉ちゃんが大怪我とか
しなかったから。
助けて頂いた方がいたのね。」
と、言われて
咲茉が
「陽ちゃんだよ。
とっても、優しいの。」
と、言うと
お義母さんは、
「そうなの。
咲茉ちゃんが、元気で
おばあちゃん、嬉しい。」
と、咲茉の頭を撫でていた。
律は、
「母さん、本当に情けない息子で
ごめん。
俺は、まったく戸川さんに恋愛感情は
なくて、先輩、サークルの仲間しか
思ってなかった。
他の先輩方にも、仲間にも
同じようにしていたから。
でも、恵に言われても
あの時、気づいてなかったんだと
思う。
水島建設も辞め、今からは
自分の人生を見直して生きて行くよ。」
と、頭を下げる。
「私の育て方にも問題が
あったのかもしれない
そう、なんども悩んで
あなたのそばから離れたの。
一人になれば、あなたは自分を
見直すのではないかと思って。
だけど、あなたがきちんと
していたら、
恵ちゃんや、可愛い咲茉を
手放す事は、なかったのに。
でも、今からでもきっと
遅くないと思うの。
律、しっかり生きなさい。」
と、言うと律は大きく頷いた。
それからは、四人で食事をしながら
咲茉の学校の話しを聞いたり
お義母さんの仕事の話等をして、
沢山笑った。
帰り際に
恵は、由紀子の連絡先を
教えてもらった。
律から
「良ければ、咲茉に関した行事には
参加させてもらえないか?」
と、言われて
咲茉を見ると頷いていたから
「わかった。」
と、言うと
「おばあちゃまも、ね。」
と、咲茉が言い
お義母さんは喜んでいた。