許す事ができるの?

···律


「わかっていると思うけど
律、恵ちゃんは、あなたに咲茉の事を
伝えなかった。
それは、離婚しているのもあるけど、
咲茉は自分の子どもだと思って
一生懸命育ててるの。
間違っても、片身が狭いとか
恵ちゃんに言わないでよ。
子供一人育てるのに
どれだけ、心配し
どれだけ、気を配ってきたのか
わからないのだから。
恵ちゃんを二度と傷つけないで。」
と、母に言われた。

まだ、言いたいことも
あるだろうが、母はそれだけを
言うと口を閉じた。

「母さん、あの時は
本当にごめん。
母さんが必死に働いて
大学まで行かせてくれた事
ちゃんとわかっていたのに
あんな事を言って。
本当に申し訳ありませんでした。
今日もわざわざ来てくれて
ありがとう。
やっと、近くにいれる許可を
得れたのだから
二度と同じ事はしない。
咲茉を一人で育ててくれた恵に
感謝しかない。
あんなに、可愛くて
優しくて、よい子に。」
と、言うと
母は、にっこり笑って
頷いてくれた。

ただ、ただ····

今は、あの頃の自分を
殴りつけたい····
それだけ·····

あの時、全てを話して
きちんとしていたら
咲茉と恵と一緒にいれたのに。
母さんとも良い親子関係で
いれたのに。

自分自身に腹が立ち
情けないの一言。

まずは、住まいを変えて
仕事を探す

何がやりたいのか
きちんと自分を見つめ直してみる。
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