許す事ができるの?
あの人·····が······

なぜ·····水島建設で·····一緒に

·······働いてにいるのか·····

  ·······わからない····


彼女は、
律と同じ大学のサークルの先輩で
デートをしている時も
何度も律を呼び出していた。

初めは、何か急用かと思い
「いいよ」とか
「大丈夫だよ」とか言っていたが

一度·····
「どんな用事で
  呼ばれているの?」
と、訊ねると
「買い物に付き合って····とか
サークルの集まりがあるから
買い出し····とか
サークルの先輩達と遊ぶよ····とかだよ。」
と、言われた。

でも、段々と頻度も増して行き

律は、先輩だから···
毎回、応じているのだと
思っていたが·······

そんなに先輩だから、
とか·····あるのだろうかと考え·····

彼女に会いたいから
······ではないか·····と······思い

一度、二人で会っているときに
その先輩から連絡があり
「ごめん、恵。」
と、言う律に
私は、黙って後をついて行った。

「先輩!」と、言う律の先にいた人は
少し色気のある綺麗な女性だった。

回りには誰もいなくて
ただ、その人だけ。

その女性は、律に駆け寄り
「来てくれたんだ。嬉しい!
さぁ、行こう!」
と、律と腕を組みながら
歩き始める。
「勘弁してくださいよ。」
と、言いながら一緒に歩く律。

律にとって、
私は、特別でも大切でも無く
なんとも思われてない
存在だとわかった。

だから····
私は、付き合いを
  止めようと考え······

「律、
私の事は、もう考えなくて良いよ。
律は、サークルの仲間と楽しく
過ごしたいみたいだし
あの先輩の事を大事にしているのが、
良くわかったから
もう、私に時間を使う必要はないよ。」
と、伝えた。

律は、
「なぜ?そんなつもりもない。」
「恵を大切に思っているし。
恵を愛してるんだ。」
と、何度も言った。

だけど、私から、言われるまで
サークルの方の事も
あの先輩の存在も大切に大事にする
一緒にいて楽しいと思っていて。

私が言う意味もわかっていなかった。
だから、私に、そんな風に思われるとは
思ってもいなかったらしい。

私は、律に好きなようにして
良いんだよ。と何度も話した。

付き合いが短い今なら
お互いに傷つかないし。
私と律とは、考え方が違うのだと
わかった。

私は、サークルに入ってなかったから
そんなに絆が深くなるものなのか
まったくわからなかったが·····


律は、色々言っていたが
私達は、距離を取り
お互いに自分の事だけを考える事にした。
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