許す事ができるの?
咲茉も、誠史のベッドに
持たれて寝てしまったから
陽史が咲茉の部屋に連れて行ってくれた。
律は、咲茉の部屋と次の子の部屋に
力をいれていた。
子供達の部屋は、
広く収納スペースもあり、
子供達が成長しても
使いやすくなっていた。
寝室や、私のピアノの部屋
家事室の隣にパソコンを使える小部屋
子供達の部屋側と寝室側の間には
大きなウッドデッキがあり
外からも中からも
繋がっている平屋で建てられていた。
二階でなないが
中二階があり
窓ガラスの屋根になっていて
空が見える。
シャッターもついているから
嵐の時でも問題ない。
庭も綺麗で見ていて飽きない。
お腹をすかせてべそをかきだした
誠史を抱き上げ母乳を飲ませていると
視線を感じて顔をあげると
陽史と眼があい·····
「何も教えてないのに
上手に飲むんだね。」と。
「うふふっ、そうだね。
あっ、ありがとう。
咲茉も重くなったでしょう?」
「全然。俺の可愛い娘だからね。」
「クスッ、ありがとう。」
と、笑っていると
誠史事私を抱き上げて
寝室へと運んで行く。
「わぁっ、もうっ。」
「ほら、問題ないでしょ?」
「うん。陽史細いのに
力持ちだよね。」
「そう?
でも、賑やかだったね?」
「全く、陽史には、驚かされてばかり。」
「どうして?」
「律やお母さんの事もだけど
戸川さんにも。」
「だって、影で·····俺の知らないとこで
恵や咲茉の事を考えられるのは
嫌だからね。
恵と咲茉と誠史は、俺のだから。
俺の全てだから。
ごめん、嫌だった?」
と、眉を下げて言う陽史に
私は首をふりながら
「ううん。陽史にそんな風に
思われて凄く嬉しいの。
それに陽史は、自分だけの気持ちで
そんな事する人じゃないのも
わかってる。
だから、余計にあなたで良かった。
もう、恋も愛も要らないと
思っていた。
嘘や騙されるのも嫌だったから
でも、陽史は違う。
あなたに出合って、
あなたを好きになれて
本当に良かった、と心から
思っているの。」
「俺も。
恵に出合えて本当に良かった。
花のない俺の人生に
優しく温かな花を咲かせてくれた
こんな女性は始めてなんだ。
だから、離さないよ
一生、俺の横にいて欲しい。」
「うん、うん。
ずっと一緒にいようね。」
と、言うと
陽史は、誠史をベビーベッドへと
寝かせて、私を優しく抱き締めた。