こんな思いを···いつまで
···初出社
次の日、就業時間15分前には
会社についた。
警備の方から
社員証を頂いたので
「ありがとうございます。」
と、頭を下げる。
びっくりされた顔をしたが
お礼を言うのは
頭り前だ·····と。
配属先を伝えて
場所を訊ねる
昨日も来たが
ついて歩くだけだったから
覚えていない。
警備の方に教えてもらい
エレベーターで上がり
役員室のフロワーで待つ。
座ることも憚られて
立ったまま待つと
五分前に
社長秘書と社長が見えて
挨拶をする。
社長室の中に入るように
言われたが
私は社員として働くのだから
「このままお待ちします。」
と、伝えた。
ギリギリになり
専務と秘書の山本さんが
一緒に見えた。
専務のネクタイを直す
山本さんを見ていると
二人がぎょっした顔をした。
あまり関心ないから
構わないが
「専務、山本さん
おはようございます。」
と、頭を下げた。
専務が
「おはよう。」
山本さんが
「おはよう···ございます。」
と、返すと
後から·····
「ずいぶん呑気な出社だな。
ひまりさんは、15分前には
来ておったぞ。
たるんでいることをするな!!
社員に示しがつかないだろう
それに秘書の癖に
専務と一緒の時間に来るとは
重役のつもりか!」
と、怒鳴る
専務は、唇をかみながら
「申し訳ありません。
以後、気をつけます。」
山本さんも
「申し訳····ありません。」
と、言った。
社長は、秘書の方に呼ばれて
社長室に戻った。
空気が淀む中
これが、会社を動かしている
人なのかと
がっかりするやら
やはり、無理だと思っていると···
「ひまりさんは、なぜ
そんな早く?」
と、専務に
「鮎川でお願いします。
会社勤めとは、そういうものだと
祖母から習いました。
出すぎた真似をして
申し訳ありません。
遅く出社した方が良いのでしたら
明日からそのように致します。」
と、伝えると
「それには、及ばない。
いつもは早く来ている。
今日は、たまたまだ。」
と、言うから
「さようでございますか。
それでは、明日もこの時間で
専務と山本さんは、
お忙しいでしょうから
私は、一人で社内を見学
させて頂いても?」
と、言うと
「嫌、誰か呼ぶから待ってくれ。」
と、言われて
「はい。お手を煩わせまして
申し訳ありません。」
と、言った。
専務は、山本さんを率いて
専務室に入った。
私は、中に入らずにフロワーで待つ
今日から来るのは
わかっていたはず
社員証が用意されていたから
誰が案内するとか···
何をやらせるとか····
何にも考えてないんだ。
まあ、一年しかいないのだから
邪険にされているのは、
しかないが······
私は、どこにいても
邪魔ものとして扱われるのだ。
だが····
いつまで、こんな思いをしないと
行けないのだろうか·····
と、おもっていると
社長秘書の方が
「着いてきてください。」
と、言う
「専務に待て」と言われた事を告げると
「こちらから連絡致します。」
と、言われ
社長秘書の方の後ろをついて行くと
秘書の方は、総務課に入り
どなたかと話をして
女性を伴ってきて
女性の方から、
「総務課の山内と申します。」
と、言われ私も
「鮎川と申します。
お忙しい中、申し訳ありません。」
と、頭を下げると
「では、山内さんお願い致します。
鮎川様もゆっくり見ていらして
ください。」
と、言って秘書の方は
エレベーターで上へと上がって行った。