こんな思いを···いつまで

···案内


山内さんの提案で受付から
案内が開始された。

「新人研修は終わったはずなのに
あなたは、特別?」の、問いに
少し考えてから
「お手を煩わせて
申し訳ありません。
ですが、私は特別ではありません。
一年だけ見習いをするように
言われました。」
「一年だけ?配属は?」
「専務秘書と。」
「ええっ、専務秘書?
山本さんがいますよね」
「山本さんの下です。
私としましては、
見習いなら、他で勉強させて
頂きたかったのですが。」
「クスっ、あなたって
面白い方ね。
専務秘書とか、狙っている人が
多いのに。
まぁ、山本さんが専務にぴったり
くっついていて入る隙間ないけどね。」
「そうなんですか?
お二人は、恋人同士では?」
「たぶん。一緒に出社して
一緒に帰社するから。
それに··距離間も異様に近いし。」
と、言う山内さんに
「今朝、見ました。」
「そう。専務もだけど
山本さんは、一社員なんだから
就業時間前には、出社するべきだと
社員達は、言っているわ
専務も社長より、早く来るべきと。」
「正直、今朝驚きました。
時間に厳しい祖母に育てられたのも
ありますが、15分前に来たのですが
私のせいで、遅くきた二人が
社長に叱られまして。
私も、遅くきた方が良いのですか?」
「あはは、あなた、やはり面白い。
鮎川さんは、そのままで良いと
私は思いますよ。
それが、会社員の姿だから。」
と、言われて、ほっとした。
「ありがとうございます。」
と、言うと受付の方に紹介されて
ご挨拶を。

受付は、6人体制で。
お客様との対応、連絡、指示
ご案内を三人で。
皆さん綺麗な方ばかり。
英語、中国語、フランス語、韓国語
を、話せると。
「鮎川さんは?」
「私は、英語、ドイツ語だけです。」
「すごい。受付でもOKじゃない。」
「とんでもないです。
こんな綺麗な方々の中なんて。」
と、答えると
山内さんは、呆れたように笑いながら
「私、鮎川さんが気にいったわ。」
と、言われて
ん?と思うが嬉しかった。

秋穂様以外の方に、こんな風に
言われて·····

それから、経理課、営業部
営業部は、一課・二課がある
お昼に食堂に行き
「お昼は?」と、言われて
「お弁当を」と、答えると
「じゃ、一緒にたべましょう。
今日は、案内だけみたいだから。」
と、言われて
更衣室にお弁当を取りに行き
山内さんと食堂で待ち合わせを
した。
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