こんな思いを···いつまで
七話···入籍日決まる
···ひまり
あっと言うまに年も明け
三月の初旬に父から呼ばれた。
憂鬱になりながら
実家に向かうと·····
父の秘書が出迎え、案内された
「ひまり様が、おみえになりました。」
と、秘書の男性が言うと中から
「入れ。」
と、言う声が··中に入るといきなり
「3月20日に入籍をする。良いな。
それからお前は翼君の
マンションに移りなさい。」
「一緒に暮らさないと
行けませんか?」
「当たり前だ。
言っておくが
お前の意見や意志など必要ない。
お前は、言われた通りにすれば良いのだ
そして、世継ぎを生むんだ。
良いな!
何も役にたてない奴を
大学まで、出してやったのだ。」
激怒しながら吐き捨てたように
言う父に。
言うだけ無駄だと
わかってはいたが·····
できることなら
この人の娘である事を
今直ぐにでも止めたい。
これは、22年間
ずっと思い続けていたことだ。
産まれおちた時から
この人は、私を憎んでいたのだから。
私は、
もう何も語らず
何も聞かずに
父の家をでた·····
もう·····必要な·····い·····
父が、何か叫んでいたが
そのうち····
父の秘書から連絡があるだろう。
私は····そのまま母の墓参りに行き
「お母さんは·····
私をあの人の駒に
するために産んだのですか?
こんな···思いをする····なら··
こんなに···苦しい···なら··
私は、産まれたくなかった。
おか·····あさ·····ん·····」
決してそんな人ではないと
わかっているのに
涙が止まらなかった。