こんな思いを···いつまで
···翼
秘書に
「今日は早く帰って下さい。」
と、言われて
そうだな、と定時を過ぎて
父・社長に挨拶をして
帰社した。
鍵を開けて中に入ると
「お帰りなさいませ。」
と、出迎える彼女
食事も作ってあるとか
お風呂も沸かしていると
言うから
お風呂に入る。
お風呂に入りながら
どうせ、たいした物でないはずと
静の方がうまいに決まっていると
あ~、静にあいたいなぁ
と、思っていたからか
いつも静が着替えやタオルの準備を
してくれているからか
風呂から上がり
何もないのを見て、なんだ···と思い
「静、着替えは?」
と、叫んでしまう。
すると脱衣室の廊下から
「山本さんにご用でしたら
お呼びしますか?」
と、彼女に言われて
わぁっ、やってしまったと
冷や汗が·····
何も答えられずにいると
彼女は、立ち去ったようだ。
俺は、慌てて自室から
着替えを取り
着替えてから
リビングダイニングに
様子を見ながら入ると
ダイニングのテーブルには、
美味しそうな料理が
並んでいて、驚いたが
味が、どうだか
わからないしなぁ
と、思いながら
席に座ると
ごはんが出てきて
温かいお茶が添えられた。
「どうぞ。」
と、彼女に言われて
「いただきます。」
と、言うと
彼女は、斜め前に座り
手をあわせて
「いただきます。」
と、頭を下げた。
前には座らないんだと思いながら
料理にはしをつける·····と·····
どれも美味しくて
何処かの料亭で食べているような
「これは、君が?」
「はい。お口にあいませんでしたか?」
「いや。」
と、答えるが
美味しいと言おうとしたが
ちょっと待て····と
何処かに頼んだかもしれない
鮎川財閥の娘だから
その辺りは、なんとでもなる。
俺が考えている間に
彼女は、食べ終わり食器を流しへ
離れた場所で立つ
俺が終わるのを待っているのか·····
俺が、食べ終わると
食べた食器を引き
洗い始めた。
リビングに行きテレビをつける
食器を洗い終わった彼女が
キッチンで動き
ビールとおつまみをリビングの
テーブルへ置いた。
「あっ、ありがとう。」
「私は、お風呂を頂きます。」
と、言うと
自室へ行ったのか
ドアがしまる音、開く音がした。
今日は、どうしたら
良いのか?
引っ越し等で疲れているだろう
考えながらビールを飲み
おつまみを食べると
これがまた、美味しい。
だが、認めたくない。
彼女が部屋着を来て
「明日は、何時に会社へと
いかれますか?」
と、言われたから
「7時半には、家をでる。」
と、答えると
「朝は、和食ですか?
洋食ですか?」
と、言われて
朝は、あまり食べずに
珈琲だが。
「洋食」
と、答えると
「かしこまりまた。
それでは、先に休ませて貰います。」
と、言ってリビングから出て行った。
寝室か?
一緒に寝る?
と、思うとビールがなくなり
冷蔵庫を開けて
びっくり····
すごい食材が·····
ビールを取り、飲む
また、飲む、また飲む····
気がつくと、そのまま
リビングのソファーで寝ていた。
急ぎ、寝室に向かうが
ベッドには、誰もいなかった。
彼女に渡した部屋か····
まぁ、良いと
思いながら···
そのまま眠った。