こんな思いを···いつまで

···ひまり


涙が止まらない
体中が痛い
頬が痛い

大倉さんがお風呂から出て
寝室に入った音を聞いて
服を来てコートを羽織
マンションを出る。

玄関のゴミ袋が目に止まる
中のシーツが目につき
置いて行きたくなくて
それを持ち
コートに隠して
タクシーに乗り込み
自分のマンションへ帰った。

それから、マンションで
シャワーを浴び
何度も、何度も体を洗い
泣きつかれて
ベッドへと入り
そのまま眠りについた。

翌朝、頬が腫れていたから
山内さんに連絡して
お休みをお願いした。

山内さんは、心配してくれたが
「大丈夫ですがすみません。」
と、謝った。

冷蔵庫の中は空っぽだったので
マスクをして近くの
コンビニに行って食べたい物を
買いマンションに戻ると
携帯がなる

秋穂様だ····

電話に出ると
「何かあったの?」
と、言う秋穂様の悲しげな声に
思わず泣いてしまった。

直ぐに玄関のブザーがなり
秋穂様が立っていた
もちろん、秋穂様の執事さんも一緒に。

秋穂様は、私の顔を見て
執事さんに冷やす物を買ってくるように
伝えて、私を抱き締めた。

私は、秋穂様に抱き締められながら
子供みたいに大声で泣いた。

泣く私の背中を秋穂様は、
何時までも撫でてくれた。

私は、いつの間にか
眠ってしまっていたようで
目を覚ますと
ベッドに寝かされて
頬には、湿布が貼られていた。
「目が覚めた?
痛みはどう?お腹すいたでしょ?」
と、言われて
クスクス笑ってしまった。

秋穂様は、ホッとした顔をして
小さなおにぎりと
お味噌汁と漬け物を用意してくれた。

頬のせいで口が開かないと
思ってくれて小さなおにぎりに
してくれたみたいだ。

美味しく頂いた後
お茶を飲みながら
昨夜の話を聞いてもらった。

泣きながら、しゃくりあげながら
きっと、聞きづらいし
意味もわからないだろうに
秋穂様は、頷きながら
私の背中を撫で
最後まで聞いてくれて
一緒に泣いてくれた。

私は、話し終えたからか
秋穂様に聞いてもらって
安心したのか
そのまま眠ってしまった。

次に目が覚めた時には
秋穂様と執事さんは
いなくて
「ゆっくり休みなさい。」の手紙と
飲み物が枕元に置いてあり
頬の湿布は、貼り変えられていた。

二回ともベッドには
執事さんが運んでくれたと
思うが·····
腫れが引くまで会社は休んだ。
< 35 / 69 >

この作品をシェア

pagetop