こんな思いを···いつまで
十話···画策

···マシューと充彦


『充彦、ひまりは、結婚するの?
  それとも、したの?』
と、マシュー
『マシュー、何?それを訊くために
日本へ?』
『当たり前だよ。僕の一大事だよ。』
『マシュー、本気なんだね?』
『当然。』
と、言うマシューに
俺は、話をする。

その前に、マシューが
アメリカを勝手に出てきた事で
秘書やSPがドアの向こうで
騒いでいたから
静めるように言うと
マシューが
『充彦と二人で大切な話をする。
呼ぶまで来るな!』
と、告げると6人は下がった。
『充彦?』
と、マシューが言うから
用紙を二通見せた。
『これが何かわかる?』
アメリカ人であるマシューが
わかるかなと思っていたら
『日本でいう。戸籍謄本?』
『そう。これは、
大倉と鮎川の戸籍謄本。
見てわかる?』
『えっ、ひまりは、鮎川から
動いていない?』
『そうなんだ。
ひまりちゃんが婚姻届を
市役所に届ける予定だったが
彼女は、提出せずに
市役所を後にした。』
『それは······
『そう言うこと。
マシュー・モルガン
もう一度だけ、確認する
あなたは、モルガン家にかけて
鮎川ひまりを生涯愛し抜き
大切に大事にすると誓えるかい?』
『もちろん。神に誓っても。』
『だが、マシュー
ひまりちゃんは、一筋縄では
いかないよ。
ずっと親に愛されずに来たんだ。
だから、どうしてもひまりちゃんが
マシューとも無理だと
言ったら、離婚してくれ
それを約束できるなら
マシューに協力する。』
『離婚とかは、考えたくないが
わかった、充彦の言う通りにする。
それで、どうすれば?』
『ああ、これを書いて』
と、出されたのは婚姻届で
ひまりの欄は記入されていた。
 
〔自筆でないのは、
無効かもしれません。※※Mamo※※〕


夫の欄にマシューは名前を記入した。
ひまりの証人欄には、充彦が書き
後一人は、マシューの秘書に記入させた。

充彦が秘書を呼び
直ぐに市役所に提出させて
鮎川の戸籍謄本を取らせた。

ひまりちゃんが抜けているか
確認するために。

少しの時間待つと
秘書が戻り書類を確認する
間違いなく鮎川から
外れていた。

『マシュー、この事は少し隠して
置いて欲しい。
君は、このままアメリカに戻り
アメリカの大使館にも
提出してくれ。』
『わかった。
ひまりは、これで僕の妻だ。
必ずに迎えにくる。
それまで頼む。』
と、言って一同を引き連れて
アメリカに帰って行った。

マシューが来た
この数時間でモルガンは、
大変な事になっているはずなのに
マシューのひまりちゃんへの
想いは間違いない。

ひまりちゃんには、
幸せになって欲しい
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