こんな思いを···いつまで

« バーン »と、
扉が開いて入ってきたのは、マシュー

充彦は、はぁ!と思うが。
「ひまりは、私の妻です。
あなたやあなたが
触れて良い女性ではない!!」
と、マシューが四人を見て怒鳴ると

えっ?はあっ?と言う顔をそれぞれが

『マシュー、我慢出来なかったのか?』
と、言う充彦に
『ひまりは、私の妻だ。』
と、言う。

鮎川総帥が
「三井さん、こちらの方は
どなたで?頭がおかしいのですか?」
と、言うと
大倉総帥も息子の翼、静も
そんな顔をしている。

マシューの秘書数名とSPが出て行こう
するのを充彦は、おさえて

「鮎川さんも大倉さんも
失礼な態度を彼に取らない方が
宜しいですよ。
彼は、アメリカ最大財閥のコンッエル
マシュー・モルガンです。
そして、ひまりちゃんは、
間違いなく
ひまり・モルガンです。」
と、充彦は、戸籍謄本を見せ
アメリカの大使館に提出書類も見せた。

四人は、ぐっと喉を
詰まらすとともに
あの·····モルガンコンッエル····?
と、力が抜ける中
鮎川総帥は、それでも自分の娘が
モルガン財閥の妻と
言う事で鼻高となる·····が。

そこに·····

三菱総帥の母・宮子様
住友総帥の母・叶様
三井総帥の母・秋穂様と
秋穂様と共に三名の男性と
ひまりが入ってきた。

ひまりは、翼を見ると立ち止まり
ガタガタ···と、ふるえはじめたので
マシューが直ぐに駆け寄り
抱き締め····
『ひまり、大丈夫。大丈夫だよ。
少しだけ、我慢できる?』
と、言いながら背中を撫でると
ひまりは、小さく頷く。

充彦も秋穂も早く翼を出さなければ
と、思いながら·····

三名の弁護士は、
翼に書類を差し出すと
それを除きこんだ。

大倉の総帥が息をのむ。

「たとえ夫婦としても
無理やり、もしくは暴力で
抑え込む行為は、レイプとなります。
ましてや夫婦でもない。
許されることではありません!!」
と、淡々と話す弁護士に
翼と大倉総帥は、青い顔になり
マシューは、ひまりを自分の秘書に
一時任せて翼を殴った。

『ひまりのお返しだ。
それに、絶対に許さない。』
と、言いながら
ひまりの元に戻り
ひまりを抱き締める。

ひまりは、翼を見ることができずに
マシューの胸に顔をつけていた。

弁護士達は、
「警察には、知らせません。
それは、ひまり様を案じてです。
ですから、ひまり様の精神的苦痛と
医療費を請求致します。
大倉財閥の顧問弁護士にも
連絡済みですので、
速やかにお支払を。
これに関して、ひまり様に
何らかの変動がありましたら
この限りではなく、直ぐに警察に届けます。」
と、伝えると
「なっ?そちらも婚約不履行では?」
と、大倉の総帥。
「なりません。ひまり様は、
婚姻届を提出したと報告していませんし
大倉さん側に愛人がいることも
その方が妊娠していることも
知り得ませんでしたから。
大倉さん側の不貞行為となるだけです。」
と、言われると
黙るしかなかった。

「大倉総帥、そしてあなたとあなたも
お引き取り下さい。」
と、充彦が告げると
「あっ、言い忘れてました。
大倉財閥との取引は、
三菱も住友そして三井も
白紙とさせていただきます。」
と、三菱の総帥が告げると

大倉総帥は、大倉でしか、
なし得ない事業があるから、思っていると
「心配いりません。
モルガン財閥と提携いたしましたから。」
と、先に言われた。

大倉の友章と翼、静は、
その場から出された。

友章の妻は、
三財閥のお母様方の後輩にあたるが
三方は、後輩でも切り捨てた。

大倉友章の秘書である菅は、
情けなくてたまらないが
それよりも、ひまりが心配だった。
だが、今は、ここを去るしかなかった。
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